映画をレビューしているブログでよく絶賛されている映画『グッド・ウィル・ハンティング』
心に痛いくらい響いてくるセルフもあり素晴らしい映画であることは確かですが、個人的にすごくモヤっとする点があり正直なところ手放しに絶賛する気は起こりませんでした。
あくまでも個人的な感想である、ということはお伝えしておきます。
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■目次
映画『グッドウィルハンティング』のあらすじ
スラム街出身の孤児として育った主人公ウィル。
人を信用せず、暴行や窃盗を繰り返す日々を送っていた。
名門大学で清掃の仕事をするウィルは、大学の廊下の黒板に生徒への課題として出される難問をいとも簡単にといてしまう天才だった。
ウィルの才能を見出したランボー教授は、その才能を生かすためウィルを監督し、更正のためのセラピーを受けさせることを条件に傷害事件でつかまっていたウィルの保釈許可を得る。
5人のセラピストにセラピーを頼むも、セラピスト達はウィルの挑発的な態度ににさじを投げる。
そこで最後の望みとして、ランボー教授は学生時代のルームメイトでセラピストのショーンにウィルを託す。
ショーンにも挑発的な態度で心を開かないウィル。それでも真正面からウィルに向き合うショーンに徐々に心を開いていくウィル。
セラピストと患者という関係を超えた信頼関係を築いていく二人。
ショーンとの人間的なふれあいで、ウィルの人生に転機が訪れる・・・
『グッドウィルハンティング』のネタバレ感想
ウィルとショーンが出会った頃、ショーンのせりふが素晴らしすぎて鳥肌がたちました。
最愛の妻を癌で失った痛みを知らずにショーンをバカにするウィル。
後日、ショーンはこのようなセリフでウィルを諭します。
「自分への愛より強い愛で愛した誰かを失う。君はその悲しみと愛を知らない。今の君は生意気な怯えた若者。」
何かと本からの引用で人を論破するウィルに向けた以下のセリフも響きます。
「君から学ぶことは何もない。本に書いてあるよ。君自身の話なら喜んで聞こう。君って人間に興味があるから。それはいやなんだろ?君はそれが怖い。後は君しだいだ」
本から得た知識で自分を守り、素の自分をださないウィル。
そんなウィルに真正面からぶつかるショーンの言葉。
徐々にウィルはショーンに対し、自分の恋愛や孤児として育った痛みを語ります。
人に見捨てられる恐怖から、人に心を開かず自分の殻に閉じこもるウィルが、ショーンの言葉に耳を傾け心を開いていく展開は本当に胸を打たれます。
このシーンだけでも見る価値のある映画なのですが、後半の展開にモヤっとしてしまいました。
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「過去の偉人が親友」それってステキじゃない?
「親友はいるのか?」とショーンがウィルに質問するシーンがあります。
「魂に触れるのが本当の親友だ」というショーンに対しウィルは、「いるよ、シェイクスピア・ニーチェ・フロイト、大勢いるよ」と答えます。
それに対しショーンは、「彼らと話せるのか?皆死んでいる」と完全否定。
なんかがっかりしました。僕はこの過去の偉人が親友だという答え、すごくステキだなって思ったんです。
もちろん、生身の人間と関わって学んでいくってことも大切なことです。
でも今は生きていなくたって、会って話が出来なくたって、過去の人の言葉が生きる気力をくれることだってあるんです。
それを即完全否定してしまうことにモヤっとしてしまいました。
才能を生かすも生かさないも本人の自由では?
数学の教授でも解くのに2年かかる難問をさっと解いてしまう天才ウィル。
当然、周りの大人はほっときません。せっかくの才能を無駄にするのは許せないと。
親友のチャッキーもこんなことをウィルに言います。
「お前は宝くじの当たり券を持っていて、それを現金化する勇気がないんだ。お前以外の皆はその券を欲しいと思ってる。それを無駄にするなんて俺は許せない」
ん~・・・ウィルがどんな人生を送りたいか、それが1番大事じゃない?ウィルは学ぶことを純粋に楽しんでる。評価されることやお金を望んでいるわけじゃない。
むしろ、毎日簡単すぎる問題を解く仕事は、ウィルにとっては退屈な仕事でしょ。
もちろん、「うほ!好きなことで尊敬されてお金もがっぽがっぽ、それって最高!」と思うのであれば、人に背中を押されなくてもとっくにやってるって。笑
僕はこの映画を見てて、ウィルの気持ちが置き去りになっているような感じがしました。
とはいえ、ラストは好きです
それでも最後はウィルが本心に従って結論を出したような気がして、個人的にすっきりしました。
ウィルの才能が欲しいという企業に就職することが決まったウィルですが、最後はそれを蹴って、愛する女性の元へ向かうシーンで終わります。
互いを思いあうも、相手の女性から愛されなくなることを恐れて、一緒になる勇気がもてなかったウィル。
最後はウィルにとって1番の望み、「愛する人と一緒に生きる」ということを選択しました。
ウィル、君に幸あれ!
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