孤独に押しつぶされそうな人に伝えたい、人間国宝ハルさんの生き様

このページに来たあなたは、今1人寂しい思いをしているかもしれない。

もしくは、将来孤独になることに怯えているかもしれない。

そんなあなたに知っておいてほしい人物がいます。

その人物は、「孤独」なんて言葉でも足りないの絶望を経験し、78歳で人間国宝となった小林ハルさん。

つい最近テレビ番組で取り上げられているのを見て、ぼっちの僕は思わず見入ってしまいました。

そして、「自分の孤独感なんて米粒みたいなもんじゃないか」「もっと孤独と向き合って自分を高めよう」と思うほど、ハルさんの生き様はステキです。

孤独を突き抜け孤高に輝くハルさんの生き様はまるで、泥を栄養として美しく花咲く蓮の花のようだと感じました。

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人間国宝「小林ハルさん」の壮絶すぎる生涯

1900年(明治33年)、ハルさんは農家の家に生まれます。

生後3ヶ月で失明

生後3ヶ月で失明してしまうことで、ハルさんの壮絶な人生が幕を開けました。

今と違って、全盲であることは差別の対象だったようです。しかもハルさんが生まれたのは農家。

目が見えなければ役立たずとされ、その扱いはひどいものでした。

それでも、父親だけはハルさんに目一杯の愛情を注いでくれます。ですが・・・

唯一の味方である父親の病死

ハルさんが幼いうちに、愛情を注いでくれた父親が病気で亡くなってしまいます。

「母親がいるではないか」と思ったら、ハルさんの母親はまるで鬼。目が見えないハルさんに裁縫を強要したり(針で手が血だらけになっても)、お手伝いさんのように家の仕事を厳しく指導します。

でもその厳しさはハルさんを思ってのことでした。母親である自分が死んだ後、1人で生きていけるようハルさんに厳しくしていたのです。

「どんなに辛いことがあっても、辛いって言ってはいけないよ」「どんなに寂しくても悲しくてもあんたは1人じゃない。いつも神様が見てくれている」

そんな母の言葉を胸に、5歳で瞽女修行に出され家を出ます。

瞽女(こぜ)とは、三味線をひき歌を歌うことで食べ物やお金をもらいながら日本全国を転々とする盲目の女性のことです

親方の言うことは絶対で、新入りの扱いはまるでパシリ。姉弟子達もきつくハルさんに当たります。

少しでも口ごたえしようものなら、一晩ひとり外で過ごすはめになります。

9歳の時、母親が病死。天涯孤独の身に

母親が亡くなったことで、ハルさんは完全に天涯孤独の身となってしまいます。

「代わりにハルが死ねばよかったのにな」と言われるハルさん。

タイムマシンに乗って、9歳のハルさんを抱きしめに行ってあげたい・・・

姉弟子からの暴力により、子どもを産めない体に

いつものように次の場所を目指して歩いている時、ハルさんは階段から転んでしまいます。

それでもハルさんに言葉もかけず助けようとしない姉弟子。

その状況を見た村人が、「助けてやんなさいよ」と注意したことで姉弟子は激怒。

「あんたのせいで何で私が怒られなきゃならないの!?」と棒でハルさんをしつこく殴打。

散々体を痛めつけられた結果、医師から「子どもを産む事は難しいでしょう」と言い渡されます。辛い・・・

それでもハルさんは恨みもせず、「ただ階段から転んだだけ」と姉弟子をかばいます。

そんな過酷な環境の中で、瞽女としての腕を上げていくハルさん。確か26歳の時だっけかな?2歳の養女を迎え入れます。

養女に思いっきり愛情を注ぎ、幸せを噛みしめるハルさんでしたが、またしても悲劇が・・・(もうやめて~)

養女の突然の病死

ここまで悲劇が続くと何の言葉も出てこない・・・。

最後はほっこりするので、もう少しお付き合いを。

 

愛する存在を失い、再び瞽女として日本を転々とします。

三味線をひきながら歌い続け、73歳で引退。老人ホームに入ります。

ここから、だれよりも孤独を味わったハルさんの花が咲きます。

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テレビに取り上げられ、無形文化財に認定される

地元テレビ局がハルさんが歌う姿を番組で取り上げたことで、無名の瞽女だったハルさんにスポットライトが当てられます。

そして魂のこもったハルさんの歌声は、無形文化財と認定されます。(このテレビ局、良い仕事しましたな~)

無形文化財を保持したことで「人間国宝」とも呼ばれるように。

ハルさんはインタビューの中で「生きてみなきゃ、わからんもんですな~」なんて答えていました。

ほんと、しみじみとおっしゃってました。

老人ホームでは、ハルさんの周りにはいつもたくさんの人がいるんだとか。

その様子はまるで、きれいに咲いた花を「きれいだね~」と眺めに人が集まって来ているような雰囲気でした。

ハルさん105歳で亡くなるまで、老人ホームで穏やかに過ごせて、僕は勝手にほっとしました(笑)

孤独であることで自分と向き合い、自分を高めることが出来る

孤独を味わい尽くして、人を魅了する歌声と品性を身につけたハルさん。

番組内で友近が「ものすごい覚悟をお持ちの方ですね」とコメントしてましたが、僕もその通りだと感じます。

良い人と歩けば祭り。悪い人と歩けば修行

ハルさんのこの口ぐせがその覚悟を物語っています。

生きている中でどんなことが起こっても自分で受け止める。誰のせいにもしない。ただただ、自分のやるべきことをやる。

良いことがあれば楽しめばいいし、悪い事が起これば自分を成長させることが出来る。

ハルさんの頭には「不幸」という言葉がないのではないかと。冒頭でも書きましたが、蓮の花のような人です。

蓮の花って、きれいな水では咲かないんだとか。泥水じゃないと咲かない。泥水(辛い事)を栄養にして花(人間性)を咲かせるんですね。

人格って香るものなんでしょう。オーラと言いますか、「この人は何かちがうぞ」と。

30歳の若造が書くのもなんですが、「人生、終わり良ければすべて良し」なんじゃないかな、と最近思ったり思わなかったり。

今の現状がどうであれ、この先のことは生きてみなきゃ分からない。それなら「明るい未来が待っている」って根拠のない希望を持って生きていきたい。

ハルさんのおかげでまた希望が湧きました。

ありがとう、ハルさん。

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