出典:Pinterest
熱狂的なファンが作家を監禁する映画『ミザリー』
人間の狂気、緊迫感、絶望。こんな見ごたえのある恐怖映画は他にはありませんね。最後まで本気で目が話せなかったです。
幽霊が出てくるホラー映画が可愛く思えるレベルの恐怖。何だろう、起こり得る話ほど怖いものはないですね。
そういえば原作者のスティーブンキングも超有名な作家ですよね。何かファン絡みで怖い思いをしたのでしょうか、、、
スポンサーリンク
映画『ミザリー』あらすじ
大人気小説「ミザリーシリーズ」の作者であるポールは、ミザリーシリーズの最終作を書き上げ車でコロラドに向かう途中、雪道でスリップし大怪我をする。
転倒した車の中で意識を失いかけるポールを救ったのは「ミザリーシリーズ」の熱狂的女性ファンであるアニーだった。
「ナンバーワンのファンよ、安心して」と言い、自宅でポールの看病をするアニー。
そんなアニーに看病のお礼も兼ねて、「ミザリーシリーズ」の最終作の原稿を読むことを許可するポール。
小説のラストに納得のいかないアニーは、ヒステリックになりポールに書き直しを命じる。
アニーの狂気に身の危険を感じたポールは、脱出を試みるが・・・
『ミザリー』感想
この映画が面白い一番のポイントは、何といってもアニーを演じる女優さん(キャシーベイツ)の演技ですね。
無邪気に笑っていたかと思えば、ポールの一言が地雷となってヒステリックを起こすのですが、この演技のキレが気持ちいいくらい。
さすがアカデミー主演女優賞、彼女がとらないで誰がとる!納得の演技。
夫に先立たれ、看護師としてがむしゃらに働く中、ポールの書く「ミザリーシリーズ」に心救われたと言うアニー。
その最終作がポールのかばんに入っていることを知っており、「読ませてほしい」と頼みます。
命を救ってもらった恩を感じていたポールは特別に読むことを許可するのですが、この時点で嫌な予感しましたよね。
ポールは他の作品を書きたいとの思いから「ミザリーシリーズ」に終止符を打つべく、主人公のミザリーが死ぬというラストを書いていましたから。
原稿を読み終えたアニーは夜中ポールの部屋に入ってくるなり、「よくもやったわね!なんて事を!彼女を殺すなんて。なぜ殺したの!ひどいわ!あんたが殺したのよ!いい人だと思ったのに騙された」とヒステリックに。
ここまではちゃめちゃだと、そのヒステリックな演技と相まって笑えてきます。
が、だんだん笑えない展開になるんですねー。
原稿をポール自身に燃やさせたり、自分の納得のいくまで書き直しさせたり。
もうここまできたら、「アニー、いっそのこと君が書けよ」って言いたくなりますわ。
従わないと何するかわからない雰囲気が恐ろしいです。アニーの表情からの圧力がめちゃくちゃ怖いです。
何がアニーのお怒りに触れるかわからない、そういったハラハラもあります。
(こういう狂気じみた役って、女性が演じる方が怖いと感じるのは僕だけでしょうか?笑)
スポンサーリンク
その一方、自分の納得のいく内容に書きあがると無邪気に喜ぶ姿はかわいらしいんですよね。
思わず見ている僕も胸をなでおろします。狂気と歓喜、この演技の緩急が本当に素晴らしいです。
アニーが恐ろしいのは、暴走する癇癪だけでなく、頭の良さにもあります。
置物の向きが変わっていることでポールが部屋から出ていたことに気づいたり、保安官がポールを助けに来たのを察知して上手いこと言ってその場を切り抜けようとします。
頭のキレるヒステリー女は最強です。ポールの存在がばれると保安官もあっけなく銃で殺しちゃうし(あまりにあっけなさすぎて、リアルに開いた口がふさがりませんでした)
とは言え「疑惑の看護師」として逮捕歴も確認され、絶対こいつだろってバレバレでしたが。
結末に少し切なさも感じました
ラストはちょっと切なくもありました。
せっかく完成した小説を読むことなくポールにタイプライターで頭を殴られ、最後はクマの置物でとどめを刺されお亡くなりになります。
いや、散々ポールを痛めつけましたからね、反撃されたって文句は言えませんよアニーは。
でも意外と「かわいそうだな」とも感じている自分に気づきました。
ポールの小説に心救われ、監禁生活でポールに恋をし、大好きなミザリーシリーズの最終作の完成を誰よりも心待ちにしていたアニー。
癇癪を起こしがちで人から好かれないこと、ポールと両思いになることもないと分かっていながら、ポールからの言葉に少女のように喜ぶ顔を見せていたアニー。
最後とどめを刺されてうつぶせに倒れている姿はやりきれなかったですね・・・
ここだけの話、アニーのヒステリックなところがちょっと、ほんのちょっと昔付き合ってた女性に似ていたからかも(笑)。
スポンサーリンク
最近のコメント