予告動画↓↓
何回泣かせたら気が済むんだ~!
宮沢りえ演じる肝っ玉母ちゃんの愛が、容赦なく涙腺を崩壊させてくる映画でした。
物議を醸しそうな斬新なラストは必見です。
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『湯を沸かすほどの熱い愛』あらすじ
銭湯「幸の湯」を営む幸野一家。
一年前に銭湯の主である父親(オダギリジョー)が家を出て行って以来銭湯を閉め、母親の双葉(宮沢りえ)と娘の安澄(杉咲花)は2人で暮らしていた。
そんなある日、双葉がパート先で倒れ精密検査を受けた結果、「末期がん・余命2ヶ月」の事実を医者から言い渡される。
余命わずかだと知った双葉は、死ぬまでにやらなければならない事(家族の問題を解決すること)をやり遂げようと奔走する。
行方をくらました夫を家に連れ戻す、銭湯を再開させる、娘にいじめを解決させる。
そして、ずっと言わずにいた本当のことを娘に伝えるため旅にでるが・・・
『湯を沸かすほどの熱い愛』感想
まず、「湯気のごとく店主が蒸発しました。当分の間、お湯は沸きません」の張り紙にぐっときました、ユーモアセンスあり過ぎ。
亭主が家を出たことを潔く、こんなユーモラスな文言で張り紙する時点で、母親の肝っ玉ぶりがわかります。
いじめを受け、「学校に行きたくない」と布団から出ない娘を、無理やり学校にいかせようとするのは今の時代ちょっと・・・と思わなくもないです。
ですがそれは決して世間体を気にするためでなく、「自分がいなくなった後、自分の力で問題を乗り越える力をつけてほしい」という親心。
自分に残されたわずかな時間で、娘のためなんとかしなくてはならないという切羽詰った親心が、宮沢りえの演技と相まって泣けてきました。
「いつか役に立つ時がくるから」と娘に手話を勉強させていた母親の本意を知った時のシーンは号泣。
娘の幸せしか考えてない、これが母親か・・・と圧倒されました。
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負けじと娘演じる杉咲花の演技も最高。
いじめっこに盗まれた制服を取り返すため、クラスメイトがいる中で体操着を脱ぎ下着姿で「私の制服返して」と訴えかけるシーンは、かなりインパクトがありました。
(母親から、「大事な時にちゃんとした下着つけてないと恥ずかしいよ」とプレゼントされた下着がここで生かされるとは・・・確かに大事な時ではあるけども)
最後の病室での母親を看取るシーン、母親を安心させようと涙を耐える、その必死な演技にこっちが代わりに号泣してしまいました。
対照的に、父親演じるオダギリジョーのダメダメぶりが半端ないですね。「悪い人ではないんだけどね・・・」という1番残念な感じ。
最後の人間ピラミッドは恐らく、感動を誘おうとしたシーンなのだろうけど、そこだけは泣けなかったです。
いやいや、さすがに他にもう少し気の利いた方法あっただろと。
それでも、どんなにだらしない父親でも、オダギリジョーが演じてしまうとカッコよくなってしまうのは反則です(笑)
ラストネタバレとその意味
そんでもってラストが斬新!で驚きました。
『湯を沸かすほどの熱い愛』、そういうことかと。
銭湯の釜で双葉を火葬、つまり双葉を燃やしてお湯を沸かし、最後は皆で笑顔でお湯に使ってエンド。
銭湯の煙突から出る煙が赤色で一瞬怖かったのですが、あの赤にも意味があるんですね。
赤色は双葉の好きな色。「私は情熱の赤が好き」と言っていました。
見舞いに来ていた探偵さんも、「双葉さんは赤色って感じ」と赤い花を持ってきました。
なので煙突から出る赤い煙は、双葉の存在(双葉が燃えていること)を意味しています。
母親の最後の望みを叶えた結果ああなったわけですが、ユーモアのある肝っ玉母ちゃんらしくて何とも言えない爽快感。
僕は好きです、こういう発想。
これあれだ、また見たくなる映画だ。
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