アカデミー作品賞を取った「黒人同士の同性愛の映画」という、かなりざっくりとした知識だけで鑑賞。
悲惨な境遇の主人公ですが、不思議と後味がとても良い映画でした。
ラストは、『ムーンライト』というタイトル通りの、月の光のように優しく柔らかな希望を感じました。
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『ムーンライト』あらすじ
犯罪が多発する貧困地域に住む黒人シャロンは、内気で体格も華奢。幼少期から「おかま」と言われ、同級生達からいじめを受ける。麻薬常習者の母親はシャロンを育児放棄。
そんなシャロンを優しく気にかけてくれるのは、たまたま廃墟で隠れるシャロンを見つけた麻薬ディーラーのファンとその妻テレサ、そして男友達のケヴィンだけだった。
次第にシャロンはケヴィンに対し、友達以上の特別な感情を抱くも必死にケヴィンへの気持ちを押さえ込む。
ある夜、海辺の月明かりの下で、2人は唇を重ね触れ合う。
そんな中、シャロンはある事件を起こし二人は離れることになるが・・・
『ムーンライト』感想
まずこの映画、『ムーンライト』というタイトルに、とてつもないセンスを感じました。
全体的に静かに進むストーリー、キレイな映像(月明かりの海辺のシーンとか、本当に美しい)。
孤独な境遇の主人公シャロンの人生に、『ムーンライト』まさしく月の光のような優しく柔らかな光を当てたような話でした。
黒人、同性愛、麻薬、育児放棄。こんな要素が盛り込まれてあると、悲劇にしかならないんじゃないかと思ってしまった事を反省。
目を背けたくなるようなシーンも無く、むしろ画面に釘付け。
ラストはここでは詳しく書きませんが、これがまた切なくも優しい終わり方。
同情を誘うようなものでもなく、悲壮感ただようものでもなく、心洗われる感覚になりました。
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何というか、シャロンとケヴィンの関係は本当にピュアなんですよね。「同性愛」と片付けるのは違うように思います。
一人の人間として愛してるというのかな。
これは勝手な想像ですが、たとえケヴィンが女性だったとしても、シャロンはケヴィンに惹かれてたんじゃないかなと僕は思うのであります。
それにしても、役者の演技もリアルで素晴らしい。
この映画は、シャロンの幼少期・青年期・成人後の3つのパートに分かれた構成で、ライフステージごとに役者も変わるのですが違和感があまりない。
何かを訴えかけてくる目が同じなんです。
シャロンのセリフは少なく、言葉ではなく目で演技をしているんです。感情を目で語っています。
青年期と成人後のシャロンは体つきからして全然違うのですが、ケヴィンを見つめる目が一緒。
マジで見て欲しい。この映画の魅力は見て感じて欲しいなと思います。
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