映画『サンセット大通り』ラストシーンだけでも見る価値ありです(ネタバレ感想)

映画『サンセット大通り』を鑑賞。

U-NEXTを使い始めて、昔の名作にはまっております。

「不朽の名作」と言われるだけあって、今見ても面白さは全く色あせないですね。

特にラストシーン、インパクトありすぎて、今夜夢に出てきそう。

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『サンセット大通り』あらすじ

借金の取立てに追われた売れない脚本家・ジョーは、古びた大豪邸に逃げ込む。

その豪邸には、かつて大スターだった女優ノーマ・デズモントが隠居生活をしていた。

過去の栄光が忘れられず映画界への復帰を諦めていないノーマは、ジョーが脚本家であることを知り、自分の書いた脚本の編集をジョーに依頼する。

ジョーはお金が必要であったため依頼を受け、脚本を完成させるまで住み込みでノーマと暮らすこととなったが、次第に私生活までも束縛されるようになる・・・

感想(ネタバレあり)

いや、ネタバレも何もないんですけどね。

ノーマに射殺されたジョーがノーマとの出会いから、殺されるまでを振り返る構成の映画ですからね。

すごく新鮮でした。犯人目線のドラマなんかはあるけど、被害者目線の話って始めてだったので。

とにかくノーマ演じるグロリア・スワンソンて女優さんの演技がすさまじい。ディズニーアニメの悪役に出てきそうな雰囲気。どうやら本当に無声映画時代の大スターだったようです。

「廃れたのは私じゃなく映画のほうよ」なんて痛々しいセリフも、彼女が言うと「本当にそうなのかもしれない」と思わされる底抜けの自信を感じます。

あのラストシーンは彼女じゃないと務まらなかったんじゃないかと・・・

全てはラストシーンのためにあったと言っても過言ではないように思います。

ジョーに惚れ込み、ヒモにさせ束縛。牢獄のような生活に耐え切れなくなり屋敷を出て行こうとするジョーを銃殺。

翌朝、警察が事情を聞くも、ノーマは手鏡で自分の顔を見てうっとりして何も語らず。

そしてラスト、カメラに撮られながら優雅に階段を降ります。階段を降りた後言うセリフも怖い。

「私は幸せよ、再び映画に出れるなんて」だと。

映画のワンシーンを撮っていると思い込んでいるノーマは、どう考えても精神崩壊状態。

過去にすがる哀れな大女優の末路のはずなのに、圧倒的に力強い存在感。

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ノーマの生き方は、いい年の取り方をしたい人へ最高の反面教師。

過去にすがりつくノーマ。

見れば分かりますが、痛々しくて同情の念すら覚えます。

今の日本で言えば、「老害」という言葉がぴったりです。

時代の変化を受け入れず、自分の生きた時代が正しいと思い込む。

そりゃあ生きづらいでしょうよ。時代の変化を拒絶し、時代に取り残される、それこそ悲劇。

いや、取り残されても本人が幸せなら良いんですよ。

でも、殺人まで犯してしまうノーマは、どう考えても幸せな人生だとは思えない。

この映画から学んだことは、「時代の流れに柔軟な人間が生き残る」ってこと。

現代だったら、「仮想通貨」が良い例じゃないですかね?

「デジタルなお金なんて、信用できん」なんて思っているなら、その考えはノーマと変わらないと思います。

間違いなく、これからの通貨はデジタルになりますよ。

話がそれましたが、ノーマを痛々しいと思う感性があるなら大丈夫です。

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