感想『幸せなひとりぼっち』ひとり寂しい時に効く映画。人生終わり良ければ全てよし!

スウェーデンで歴代3位になるほどヒットした映画『幸せなひとりぼっち』

ひとりぼっちの偏屈じいさんが、隣人に振り回されるうちに心を開いていくという物語。

最初は「何か見たことあるような話だなー」なんて思ったら、クリント・イーストウッド監督&主演の『グラン・トリノ』と話の設定が似ています。

ですが、全く別物です。『グラン・トリノ』は重たいシーンもありラストは切ない感じでしたが、『幸せなひとりぼっち』はほっこり終わります。僕は断然『幸せなひとりぼっち』が好きです。

見ると人に優しくしたくなる、そんな映画です。

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あらすじ

最愛の妻に先立たれ、仕事もクビになった59歳のオーヴェは、人生を諦め自殺を図る。

首をつろうとしたその時、家の外が騒がしく気になったオーヴェが外に出ると、隣の家に引っ越してきた一家と出会う。

陽気で賑やかな隣人一家をうっとおしく思うオーヴェだったが、隣人一家に振り回されるうちに、絆が芽生えはじめる。

気づくと、誰にも話そうとしなかった妻との辛い思い出を話し始める・・・

感想

最初は「老害を絵に描いたような人だな」なんて思って見てました。

とにかく感じが悪い。納得がいかないと相手をののしったり、花屋の店員にいちゃもんつけたり。

町のルールを守らない人がいると、すぐにカッとなり暴言を吐く。

ところが、見ていくうちにだんだんオーヴェが可愛く思えてくるのが不思議。自殺を図る際、走馬灯のように映し出される父親との思い出や奥さんとの出会い・幸せな生活を思い出すシーンで観客は知ります。

「オーヴェ、優しいな、不器用だな」って。それとともに、「それだけ不条理な人生を経験してきたら、人に厳しくなってしまうような」って。

それでも猫や子どもがオーヴェに寄ってきます。子どもや動物って、優しい人が本能でわかるんじゃないですかね。

そして、「オーヴェの人生は奥さんがすべてだったんだな」とも思う。不器用だけど実直で優しいオーヴェの本質を理解し、優しい笑顔で包み込んでくれる奥さんはオーヴェの唯一の生きる意味だったんだろうな。

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オーヴェの奥さんがまた素敵で、奥さんの「今を必死に生きるのよ」と言うシーンが1番グッときました。

幸せの絶頂にいる時に、人為的ミスで起こった事故に巻き込まれる二人。あまりに不条理な現実に、人を責めずにはいられないオーヴェ。

それでも、起きてしまったことはどうしようもない。ミスをした相手をののしっても幸せにはなれない。変えられるのは今の自分の行動だけ。

実際この言葉でオーヴェの行動が変わり、奥さんの夢を叶えることが出来ました。

「理想の奥さん」って検索したら、オーヴェの奥さんが検索結果に一番に出てくるんじゃないだろうかってぐらい、素敵な奥さん(笑)

最後の、女の子が町のゲートを閉めるシーン(見た人はわかる)、じわじわくるわー。オーヴェの人生を肯定するような、そんなシーンに感じました。

人生の最後が幸せなら、その人生まるごと幸せなんだと思います。

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