テレビで放送していた映画『ミスト』。何の予備知識もなく鑑賞。
そしたら、色んな意味でとんでもない映画でした!
物語は嵐の翌日、主人公(デヴィット)と息子のビリーがスーパーで買い物している最中に霧が発生するところから始まります。
そこへ、鼻から血を出したおじさんが「霧の中に何かいる!」と叫びながら入って来たところから不穏な空気に・・・
「霧の中の怪物と戦う映画か~。何となく見るのにちょうどいいかな」
なんて思いながら見始めたのですが、気づいたら映画の世界にどっぷりつかっていました。
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後で検索すると、「後味最悪」「鬱映画」といった評価。
なるほど、確かにラストはすさまじく悲惨でした。
ミストのキャッチコピーは「映画史上かつてない、震撼のラスト15分」ですが、
ここまで絶望的なラストを見事に描くその才能にこそ震撼しましたよ。
見終わったあと、しばらく放心状態でした。
ただこの映画、後味が悪いだけでない、希望のようなものも感じました。
詳しくは最後の感想で。
映画『ミスト』あらすじ
ただただ霧の中の怪物と戦う話かと思ったら違いましたね。
もちろん霧の中から怪物、出てきますけどね。得体の知れない触手にやられたり、緊迫感があって面白いです。
でも本当に怖かったのは人間。いましたよね、宗教狂いのやばい女性(カーモディ)。
序盤から、「ついに審判のときが来たのよ」とか言ってます。
もちろん最初は誰も相手にしません、最初だけ。
でも嫌な予感はしてましたよ。「神を迎える準備を!生け贄が必要よ!」とか一人で盛り上がってて。
その夜、「今夜、闇とともに怪物が襲ってくる。誰かの命を奪う」とのカーモディの予言が当たり、巨大な虫や不気味な鳥が窓をつきやぶって襲ってきます。
鳥に首をつつかれたり、昆虫にかまれて死亡者多発。
なぜかカーモディのことは真近で見つめあうも噛み付かず(あれは何でだったんだろう、謎です)。
その時、余計な確信を得たんでしょうね。「私は神の預言者だ」って。
このあとカーモディの暴走は激しさを増し、恐怖をあおりにあおって着々と自分の信者を増やします。
軍人の青年を生贄として、信者に外に放り出させたりもします。
ちなみに怪物達、科学者が異次元の世界を観察してたら間違ってこっちの世界に来ちゃったんだそうです。青年の軍人が噂で聞いたとか。噂を聞いただけなのにこの青年のせいにされ、生贄にされちゃいました
カーモディ、最初は「神様お許しを~」なんて弱々しかったのが、何だかどんどん生き生きしてきたぞ・・・笑
このままだと、デヴィット達、このカルト集団に殺される!
その夜、息子ビリーは言います。「僕を怪物に殺させないで」と。
ビリーの言う怪物は、外の怪物なのか、それともカーモディ?
で、早速デヴィット達は逃げようとスーパーを出ようとします。
すると出口には、ナイフを持ったカーモディとその信者達!
「許さない!神の意思に反する行為よ」。はちゃめちゃな論理を展開して、デヴィットの息子を生贄にしろと言いだす始末。
信者達が息子を奪おうと襲ってきます。
とそこでスーパーの副店長がカーモディを銃で撃ちます。うん、そうするしかなかったと思う。
駐車場へ急げ!
スーパーを出て車に向かうも、クモにやられたり、でかいカニみたいなのにやられたり。
結局生き残ったのはデヴィットとその息子・おねえさん・おじいさん・おばあさんの5人でした。
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ラストネタバレ
ガソリンの続く限り南へ向かいます。
途中デヴィットの家を通るのですが、デヴィットの奥さんは亡くなっていました。
その後車でゆっくり走るなかで、どでかい怪物がゆっくり車をまたいでいくシーンがあります。
車も曲も怪物もゆっくりで、何だかとても穏やか。
とうとうガソリンが切れて車はゆっくり止まります。
「出来る限りの努力はした」とおじいさん。
完全に諦めムードが漂います。
ここで、車に乗る前何とか拾った拳銃を取り出すデヴィット。
「銃弾は4つ」
「でもここにいるのは5人よ」とおねえさん。
「俺はなんとかする」とデヴィット。
寝ていた息子が目を覚まし、デヴィットの方を向きます。
どうなる?撃つのかデヴィット!?息子撃っちゃうの?
と思う間もなく4発の銃声が鳴り響きます。
4人を撃ったデヴィット。
叫び声をあげながら車から外へ出ます。
「来い!」と、怪物が襲ってくるのを待ちます。・・・・・あれ?なぜ襲わない?
すると向こうのほうから怪物の鳴き声・・??。ここで一気に霧が晴れます。
向こうからやってきたのは怪物ではなく、軍の戦車でした。
あと少し、あと少しで5人とも助かったのに。
最後は絶望したデヴィットが悲痛な叫び声をあげて終わります。
感想
もう少しだけ、デヴィットが銃を撃つのをためらっていたら・・
車に乗る時点で銃を拾っていなければ・・・
車が止まった時点で、あんなにすっぱり諦めなくてもよかったんじゃないか。
これからどうするか、少しでも話し合う時間持てたんじゃないか?
と思ってしまいましたが、結果を知っていたから思うことで。
主人公の立場を考えれば、これほど残酷なことってないですよね。内容に入り込んで、感情移入すればするほど後味が悪い。
でも、完全に鑑賞者の立ち位置で、この作品と距離を置いて眺めてみると、また少し違った捉え方もあるんですよね。
主人公達は車のエンジンが切れた時点で、「これで終わりだ、死ぬしかない」と思って死ぬことを選びました。
でも実際はその時すでに、霧で見えなくとも外の問題は解決していました。
あとほんの少し辛抱すれば、主人公達の見る世界は180度変わったんです。
一寸先は光だったわけです。
だから私はこの映画のラストを反面教師として、「今どんなに絶望的な状況でも、諦めてはならない」ということを感じました。
一瞬で人生が良い方向へ進みだす事だってありえるわけです。
この映画には、この名言がぴったりです。
「あきらめたらそこで試合終了ですよ!」
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