シリーズ化しているファンタジー小説を、今まで敬遠していました。
ハリー・ポッターシリーズを途中で挫折した経験から、長編作品についていく自信をなくしていたためです。
登場人物がごちゃごちゃして分からなくなったり、内容が暗くてどろっどろになってきてモヤモヤするのが好きじゃないんです。
そんな、長編ファンタジーに苦手意識を持ってしまった僕が、思わずドはまりしたファンタジー小説『十二国記』
ドラマ化&アニメ化もしている作品のようですね。
ファンタジー好きな姉の執拗なススメにより軽い気持ちで読み始めたが最後、その世界観に引きずりこまれページをめくる手を止めることが出来ないまま読破。
なんだこれ・・・破滅的に面白すぎる~!!!
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小説『十二国記』あらすじ
ホラーやミステリー小説で独特の世界観を文字で描き出す小説家・小野不由美さんによる長編ファンタジー。
あらすじを書くのが難しい・・・
と言うのも、ヘタに丁寧にあらすじを書いてしまうと、初めて読んだ時の面白さが減ってしまう危険があるから。
だから、「十二国記?何それ美味しいの?」の段階の方は、どうか何も知らずに読んでみて欲しい。
とりあえず僕がここでお伝えできるのは、十二国記は「主人公の女子高生・陽子が何もわからないまま十二の国からなる不思議な世界に連行され冒険した先に、衝撃の真実が待っている話」ってこと。
マジで面白いから!ファンタジー少しでも好きなら絶対ハマるから!!
とりあえず、『月の影 影の海』を読んでみて欲しい。
ちなみに、上下巻に分かれております。
「うわ、上下巻あるとか、かったるい」
分かりますよ。最初僕もそう思いましたから。
しかもシリーズ化していて、上下巻に分かれた続編が10作品ほど続きますからね。
しかし、ご心配なく。
『月の影 影の海』だけでも1つのストーリーとしては完結しているので、たとえ続編を読まなくても消化不良は起こりません。
むしろラストの爽快感はたまらないので、『月の影 影の海』だけでも全力でおすすめ出来ます。
とはいえ、読んでしまったら続編読まずにいられなくなると思いますけど(笑)
ただ・・・上巻はひたすら過酷な話です
ほんとおすすめなんですが、1つ言っておくと、上巻はちょいと読んでいて辛いです。
主人公の陽子はとにかく事なかれ主義で、家でも学校でも周りの目を気にして期待に沿うように過ごしています。
特に不満もないけど、満足しているわけでもない。敵もいない代わりに味方もいない。そんな感じ。
そんな陽子に突然襲いかかる、気味の悪い獣達。助けてくれる謎の男。半ば強制的にさせられる、訳の分からない誓約。
男に連れて行かれたのは、想像もしていなかったような異世界。
そこでも執拗に襲ってくる獣達。
この国は何なのか?なぜ自分が狙われる?あの男は誰なのか?どうすれば元の世界に戻れるのか?
何も説明をされないまま、生き延びるために血生臭い戦いを強いられる陽子。
孤独、恐怖、絶望。
そう、とにかく絶望的なんです。
陽子の心身ともに痛々しい描写の連続です。
それでも、どうか下巻まで読みすすめて欲しい。
たくましくなっていく陽子の成長や、明かされていく壮大な真実を知るまで、どうか耐えて読んでほしい。
なぜならそこには、鳥肌が立つほど爽快なエンディングが待っているから・・・
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心に響いた名言を紹介
この作品の良さを少しでもお伝えしたく、僕の心にバシッと刺さった陽子のセリフをいくつか紹介したいと思います。
上巻で、絶望的な状況の中、生きることを諦めてしまいそうになりながらも必死に生きる陽子のセリフがこちら↓
死にたいのでは、きっとない。
生きたいわけでもたぶんない。
ただ陽子はあきらめたくないのだ。
シンプルに響いてくるフレーズでした。
この文章もグッと来ました↓↓
裏切られてもいいんだ。裏切った相手が卑怯になるだけで、わたしのなにが傷つくわけでもない。裏切って卑怯者になるよりずっといい。
(中略)
追い詰められて誰も親切にしてくれないから、だから人を拒絶していいのか。善意を示してくれた相手を見捨てることの理由になるのか。絶対の善意でなければ、信じることができないのか。人からこれ以上ないほど優しくされるのでなければ、人に優しくすることができないのか。
「・・・そうじゃないだろう」
陽子自身が人を信じることと、人が陽子を裏切ることはなんの関係もないはずだ。陽子自身が優しいことと他者が陽子に優しいことは、なんの関係もないはずなのに。
グッときたというより、自分に言われているようでグサッときました(笑)
まだまだ心に刺さる文章がたくさんあるのですが、あまり多く紹介して楽しみが減るといけないので、この辺でやめておきます。
ホラー小説が好きな人は『魔性の子』を先に読むべし!
『魔性の子』も、十二国記シリーズの中の一冊です。
十二国記シリーズに出てくる、ある人物に焦点を当てた話です。
少年の時に神隠しにあった男子高校生の周りで次々と不可解な現象が起きる話なのですが、十二国記の内容を知らずに読むとホラー小説としても楽しめる一冊です。
「ホラーが好きな人は、『魔性の子』から読むと面白いよ」と姉に言われ、ホラー好きの僕は迷わず『魔性の子』から読みました。
確かにホラーでした。しかもえげつないホラー(汗)
その後に『月の影 影の海』を読むと、「なるほど、『魔法の子』に出てきたあれは、そういう理由であんなことを・・・」と納得。
確かに、ホラー好きは最初に『魔性の子』を読まないともったいないです。
最後に
改めて、独特な世界観を文章で描き出す小説家に脱帽です。圧倒的尊敬!
そして、小野不由美ワールド、最高。
十二国記を知らかった方は、騙されたと思って読んでみて欲しい。
来年の2019年には、待望の十二国記シリーズの新刊が発売予定とのことで、盛り上がりそうですね(喜)
ちなみに、小野不由美さんは、電子書籍は出さない主義だそうです。紙でしか読めません。なんかこう、通な感じで良いですね(単純)
小野不由美さんは、他にもホラーやミステリーの作品もあるということで、着々と読破していこうと思います。
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