ftm【親へのカミングアウト】マジで手紙は書いておいた方がいい!

僕が親に、ftmであることをカミングアウトしたのは今から約7年前、23歳の時でした。

友人へのカミングアウトもかなり勇気いりましたが、親となるとそれ以上の勇気を要しました。

近い存在であればあるほど、そして大切であればあるほど受け入れて欲しいという気持ちが大きくなってしまいます。拒絶されたらどうしようという不安も。

僕がチキンハートだったせいもありますが(汗)

精神科でそろそろ生同一性障害の診断がおりそうな段階で、両親にカミングアウトすることを決意。

その時カウンセラーの方から受けた「手紙を書いておくといいですよ」というアドバイスには本当に助けられました。

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手紙を書いておいて本当によかった

恐らく手紙を書いていなかったら、自分の気持ちをちゃんと伝えられなかっただろうと思います。

いざカミングアウト!となると、これがなかなか切り出せない・・・

最初は母親に、自分の口から伝えようと思っていました。我が家は母親を大黒柱として回っている状態だったので、まずは母親の理解を得ようと決めました。

が、どうしても出来ない。母親の反応をリアルで見るのが怖い。足がすくむ。

それでもカミングアウトしないと前に進めないので、寝る前母親と2人の時に、はらをくくって話しかけました。

僕「ちょっと話いい?」

母「うん、どうした?」

僕の神妙な顔を見て、ただ事ではないと思ったのか、母親も心配そうな顔に変わります。

僕「実は今、精神科に通っててさ」

母親「(驚いた顔で)うん。」

僕「性同一性障害って聞いたことあるでしょ?実はそれなんだ。」

母親「・・・(明らかに混乱した様子)」

その時何かしら母親から言葉が返ってきたと思うのですが、僕も緊張マックスでよく覚えていません。

とにかく母親が事態を把握できていないような様子に僕もパニック。どう考えても手紙を読んでもらった方が良いと判断し、手紙を渡して自分の部屋へ戻りました。

手紙には、体は女性だけど心は男性だという事。拒絶されたくなくて、頑張ってムリして女性として生きてきたこと。でも自分を偽って人と関わるのが、もう限界だということ。

そして、ホルモン治療をし男性として生きていこうと思っていること。それが自分にとって幸せだということ、幸せに絶対なるという決意。

この内容は、あの状況で冷静に話せる自信は微塵もありませんでした。手紙、書いといて本当によかった!

手紙を渡して部屋に戻り布団に入ったものの、全く眠れませんでした。母親がショックを受けているのは確実ですからね。

あの手紙を読んだ今、母親は今どんな気持ちでいるのだろうと思うと、胸が締め付けられる思いでした。

でも男性として生きると決めたら通らなければならない道。祈るように朝を迎えました。

母親と対面、母親の反応に涙。

どんな顔で母親と対面すれば良いかわからないままリビングへ。

そこで母親が来て「生きててくれてありがとう」と言いながら抱きしめてくれました。2人で号泣。

あの時の安心感・幸福感は今でも忘れられません。というか一生忘れません。

窓から光が差し込みそれがとてもキレイで、まるで祝福を受けているようでした。

この時ほど、母親を誇りに思ったことはありません。愛情にあふれた母親であったのは確かですが、まさか一晩で受け止めてくれるとは・・・

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ただその後、「理解」までには時間を要しました

母は、性同一性障害に対しひとかけらも偏見はなく受け入れてくれましたが、理解するまでには少し時間がかかりました。

というのも、「本当に性同一性障害なの?」「治療はしなくてもいいんじゃない?」といった心配は痛いほど感じました。

性別を変えるという決断は僕にとっては、もう10年以上も悩みに悩みぬいてたどり着いた結論です。それが僕の人生には必要不可欠だと今でも思っていますし、治療してよかったと思っています(あくまで僕の場合は、です)

ですが母親にとっては寝耳に水。10年かけて出した結論を一晩で理解しろというのは無理な話ですよね。

特に僕の場合は頑張って女性をしてましたから。スカートや化粧はしませんでしたが、男の振る舞いもしてきませんでした。それは今でも変わらないか(笑)性格も中性的な感じだったので、性同一性障害を疑ったことは無かったみたいです。

そりゃあ驚くはずだわ・・・(汗)

なので何度も何度も話をし、精神科の先生にも会わせました。

徐々に徐々に、「この子にとって、治療する事が必要なんだ」という事を理解してくれました。

どのように両親に納得してもらったかは、この記事の最後のほうに書きました↓↓

FTM「思い込みではないか?」と心配する親を説得するまでの話

2018年10月24日

父親へは母親が話してくれました

父親と特別仲が悪かったわけではないのですが、母親から父親に話してくれました。

どんな反応が返ってくるのか1番未知数だったので、とても自分ひとりではカミングアウト出来なかったと思います。

母の話では「辛い思いをさせてしまった」と泣いていたそうです。父親の愛情が身に染みました。

ただ、やはり父親も理解するまでに時間がかかりました。

今でも理解しているのか微妙なところですが、温かく見守ってくれていて本当にありがたいです。

最後に

読んでいただくと分かると思うのですが、これだけすぐに受け入れてくれる親は少数だと思います。

カミングアウトした結果親から、「育て方を間違えたんだ」とか「気持ち悪い」なんて言葉を受けた当事者の話も聞いています。

また、受け入れてもらえても理解してもらうまで時間はかかると思います。それでも今は先輩方のおかげで、7年前よりもセクシャルマイノリティへの誤解・偏見は減ってきているのは確かです。

また生意気なことを言うようですが、親との普段からの関わり方も大事だと感じます。「この子の言うことならそうなんだろう」と思ってもらえる信頼関係が大事です。

あとは時間をかけても分かってもらおうという覚悟があれば大丈夫。

とにもかくにも親へのカミングアウトをするなら、手紙を書いておくことを強くおすすめします!

あなたに幸あれ!

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