映画『トライアングル』
決してハッピーエンドではないけれど、序盤で感じる違和感が、ラストで一気に解消される爽快感。とはいえ、切ない・・・
解釈によっては、大どんでん返しの作品とも言えます。
最後まで鑑賞すると必ず冒頭を見返したくなる、そんな映画です。
ん~、面白い!!これは胸を張っておすすめ出来ます!
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映画『トライアングル』あらすじ
5人の友人達とヨットセイリングで海に出たジェス(メリッサ・ジョージ)だったが、突如発生した嵐に巻き込まれ、船は転覆してしまう。
その時、運よく彼らの前に現れた豪華客船に乗り込むも、人の気配が無い。
人を探すため、一行が船内を探索していると、覆面を被った人物に襲われて・・・
映画『トライアングル』感想
仲間内でヨットセイリングするところから始まるのですが、主人公ジェスの様子に違和感を感じます。
明らかに疲れきって憔悴している感じ。
「これは訳ありな人物なんだろうな」と感じながらも、ヨットが嵐で転覆→命からがら助かったところに無人の豪華客船→襲い掛かってくる覆面の人物、といったハラハラさせられる展開に夢中になります。
無人の豪華客船、最高のシチュエーションですね。テンション上がります。
客船を探索していると、ようやく人の気配を感じますが、姿を現さない。
ようやく姿を現したと思ったら、その覆面の人物は銃で仲間を次々と殺していきます。
なんとか1人生き残ったジェスは、覆面を被った犯人を追い詰め、船から突き落とします。
突き落とされる寸前に犯人が残した「彼らが戻って来たら、全員殺して。家へ帰るためよ」という不可解な言葉を残します。
完全に男だと思ってたら、声が女性でびっくり。ここでようやく気づきました。犯人はタイム・ループする前のジェスだということに。
船上に一人残ったジェス。
そこへ、「助けてくれ!」と転覆したヨットの上から助けを求めてきたのは、殺されたはずの仲間達と自分。
どうしたら良いかわからず、戻ってきた彼らから隠れるジェス。
とっさに隠れた場所には、「彼らが乗ってきたら殺せ」と書かれた紙が大量に散らばっていたり、息子の写真をいれたペンダントが大量に落ちていたりと、これまで何十回とタイムループしていることが明らかになります。
「何十回と繰り返されてきたであろう流れを変えて、全員で生きてこの船を出よう」と奔走するも、戻ってきたもう1人のジェスの邪魔が入り、思うように行かない。
そんな中、「ジェス以外の全員が死ぬと、タイム・ループして再び彼らが助けを求めてやってくる」ことに気づいたジェスは、「今いる仲間を殺し、次にやってくる彼らをこの船に乗せないようにすればいい」と判断。
最初に船から突き落とした覆面の自分と同じように仲間を殺し、後から来た自分に船から突き落とされます。
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浜辺に漂着し、真っ先に家に戻るジェス。
そこには、会いたかった愛しい息子と、いらだちをぶつけるように息子を罵倒し手をあげる、過去の自分の姿。
いても立ってもいられないジェスは、息子を傷つける過去の自分を撲殺し、死体を車のトランクへいれ、息子を連れて車を出します。
その途中、一匹のカモメが車にぶつかり息子はパニック。
ジェスは車を降り、そのカモメの死骸を海へ捨てます。するとそこには、大量のカモメの死骸。
タイム・ループは終わっていなかった!
とにかく必死で車を走らせるジェス、窓に付いたカモメの血にパニックになる息子。
息子をなだめるのに気をとられたジェスは対向車線に突入、走ってきたトラックと接触し、車は派手に横転します。
横転の衝撃で外に放り出される過去のジェスの死体。動かずに地面に横たわる息子。
その様子を呆然と立ち尽くし眺めるジェス。しかも無傷。あんな激しい事故で無傷なんてありえない。
そう、ジェスはこの時点で幽霊であることが判明。
放心状態のジェスに「大丈夫かい?」と声をかけ、車に乗せてくれたタクシー運転手は死神なんでしょうか。少なくともこの世の者ではなさそうです。
ジェスの乗ったタクシーが向かう先は、やはり仲間が待つヨット乗り場。
冒頭シーンへと戻ります。
地獄のループからは結局抜け出せずに終わりました。
冒頭シーンで、ヨットに乗る前に憔悴しきっていたのも納得です。
ザ・無間地獄。
きっと、愛してあげられなかった息子を助けることが出来るまで、何度もタイム・ループし続けるのでしょう。
でも、恐らくそれは不可能。
幽霊のジェスがどうあがいたって、息子の死を無かったことには出来ない。どう頑張ったって、最後は事故に会って死ぬ運命。息子との人生をやり直すことは出来ません。
タイムループから抜け出すためには、その事実を受け入れるしか方法はない。でもそれを受け入れることが出来ず、「息子の死」と直面する地獄を何度も繰り返すジェスが切ないです。
最後に
冒頭、家を出発するまでのシーンで、実はジェスが未来から来たジェスに殺され入れ替わっていたことが、ラストで分かる構成が本当に秀逸で感動しました。
「実はあの時はこんなことが起こっていました」みたいな種明かしが大好きなので、興奮(笑)
スリラーというよりは、ミステリー映画と言っても過言ではないかと。過激なグロ描写もないので、気軽に楽しめる作品です。
「世にも奇妙な物語」的な話が好きな人に、強くおすすめです。
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