『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』クオリティの高さは変態の域(あらすじ感想)

今激熱のストップモーションアニメの制作会社「スタジオライカ」の最新作『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』

『コララインと魔女のボタン』も大好きな作品で、同じ制作会社の最新作と知り即DVDをツタヤ宅配レンタルで借り鑑賞。

その変態的なクオリティ(最高に褒めてます)にど肝を抜かれました!

人形の動きをコマ撮りして、ここまでなめらかな動きってほんと狂気じみてますからね、まじで。どんだけ細かく撮ってんだよって。

同じくスタジオライカ制作映画の『ボックストロール』の中でも説明(というか愚痴?)してたけどさ。キャラクターの目を一回瞬きさせるのに1日かかるんだってさ!

とにかく見て欲しい!とりあえず、上に貼った予告だけでもいいから見て欲しい!

そんでもって、こんな「日本ラブ」な作品なのにあまりクローズアップされないのはなぜ?僕のアンテナが鈍いだけ?

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『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』あらすじ

幼い頃に「月の帝」である祖父に片目を奪われた少年クボは、人里を離れ母親と2人ひっそりと暮らしている。

三味線の音色で折り紙を自由自在に操る魔力を持つクボは、村に行ってはその力を披露し村人の注目を集めていた。

「絶対に日が暮れる前に帰ってくるように」と母親に強く言われていたクボだが、村人に灯篭流しに誘われ気が付くと日が暮れてしまう。

そこに表れた「月の帝」の使いである闇の姉妹に追われるが、危機一髪の所で母親がクボを助け命を落としてしまう。

両親を奪った「月の帝」を倒すため、サルとクワガタと一緒に旅に出たクボは、両親の秘密を知ることになる・・・

『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』感想

まず、トラヴィス・ナイト監督の日本への愛を感じますね。これでもか!ってぐらいに日本的要素を詰め込んでいます。

折り紙を自在に操るクボの能力、旅のお供は猿(日本の寓話ってサルが多いですよね)。灯篭流しのシーンは幻想的。そんでもって三味線の音楽に鳥肌立ちました。

「月の帝」と闇の姉妹は天上で暮らしているのですが、これは「かぐや姫」をモチーフにしている感じ。

この映画はアメリカ人の監督から見た日本の魅力をふんだんに詰め込んだものなわけですが、それを見て改めて日本の良さを実感した次第です。三味線習いたくなっちゃいましたもん(単純)

その中でも僕の1番お気に入りのシーンは、闇の姉妹(クボにとっては叔母さん達)が「クーボー」って静かに迫ってくるところ。(冒頭に貼った予告動画にもちらっとありましたね)

一気に不気味な雰囲気に変わって、ホラー好きの僕はテンション上がりました(笑)

あと、作品の中で「肉体は死んでも魂は無くならず、何度も生まれ変わる」みたいに言ってましたが、この輪廻転生思想って仏教の考え方ですよね。アメリカ人にも受け入れられるのかな?それか完全に日本人ターゲットに作ったのかな?

人形ならではのぎこちなさは皆無

疑いを持つぐらい動きが滑らか。サルと闇の姉妹の戦闘シーンがあるのですが、これがなかなかの迫力!まじで人形だってこと忘れますからね。

その戦闘でサルが傷を追うのですが、それすら「痛そう」って思うほどです。ここで確信しましたね、「この人形達はスタッフの変態的な作業によって間違いなく命が吹き込まれてるって(ほんと褒めてます)。

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人生賛歌なストーリー(以下、若干のネタバレ注意)

旅を続けるうちに明らかになっていく父と母の出会いと秘密、そこは見てのお楽しみとして・・・

「月の帝」がなぜクボの目を狙うのか、その意図が明らかになります。

(若干ネタバレします。まっさらな状態で見たい方はここでストップ!)

月の帝がクボの目を狙っていた理由、それは「人間の憎しみや嫉妬など、醜いものを見せたくなかったから」でした。

冷徹なほど完璧な天上の世界で家族一緒に暮らしたい、それが祖父である月の帝の真意でした。月の帝の思いを知ったクボは、それでも人間界で生きていくという気持ちが揺れることはありません。

醜いものもいっぱいあるだろうけど、それでも生きる価値はある、愛があると。

月の帝の言う事は決して聞き入れません。だってそれは、命を張って自分を守ってくれた両親の愛情を否定することになってしまうから。

ずるいよな~、感動しないわけないじゃんか。

しかし、ラストには一抹の不満も・・・

なんだかな~、最後「月の帝」の扱いがちょっとキレいすぎやしませんかと、ほんのちょっと不満もありました。

あれなのかな。監督って日本人のこと、ここまで寛容な民族だと思ってんのかな?

自分の暮らす村をまるごと焼かれても、その相手を許せるとお思いで?んなわけないだろと感じてしまうわけで。

ってか許すどころか、持ち上げちゃってる感じすらある。めでたすぎやしませんか?とここだけ違和感を感じずにはいられませんでした。

とはいえ大満足の映画でした

ちょっとした違和感はあったものの、最後の最後は微笑ましいシーンで終わり「いいもの見させてもらったな」と大満足の内容でした。

『KUBO/クボ 日本の弦の秘密』をはじめ、スタジオライカ制作のストップモーションアニメは何度見ても飽きないです。次の作品こそ絶対映画館で見たい!ってか絶対映画館で見る!

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