『LION/ライオン 25年目のただいま』素直に泣ける映画(ネタバレ感想)

映画『LION/ライオン 25年目のただいま』

「奇跡体験アンビリーバボー」でも取り上げられていた実話。

「テレビ番組に毛が生えたような内容なんだろうな」と期待せずに鑑賞(失礼)

やっぱり映画にすると全く別物になりますね。感情移入が止まらず、大まかな内容を知っていても、号泣せずにはいられなかった・・・

「25年目のただいま」とか、ムリでしょ、そりゃ泣くでしょ。

でもって、子供時代のサルーがめっちゃ可愛い!!

『LION/ライオン 25年目のただいま』あらすじ

インドのスラム街で家族と仲良く暮らす5歳のサルーはある日、停車していた電車に潜り込み、そのまま遠くの町へと運ばれ迷子になってしまう。

その後オーストラリアに住む夫婦に養子として引き取られ、25年が経過する。

養父母の愛情に恵まれ幸せな日々を送るサルーだったが、幸せを感じれば感じるほど自分を探しているであろう本当の家族を思い、いても立ってもいられない。

本当の家族にあの日言うはずだった「ただいま」を伝えるため、わずかな記憶を手がかりにGoogle Earthを駆使して捜索するが・・・

『LION/ライオン 25年目のただいま』感想

物語は、インドのスラム街に住むサルーが壮大な迷子になるところから始まります。

お兄ちゃんに無理を言って仕事場に連れて行ってもらうも眠ってしまい、お兄ちゃんは仕方なくサルーをベンチに寝かせて仕事に行きます。

サルーが起きるともう朝になっていて、1人心細くなったサルーがお兄ちゃんを探しに止まっていた電車に潜り込み、そこでもまた眠ってしまいます。

再び目覚めると電車は動いていて、外は見たことのない知らない町。すぐに降りようとするも、電車内にはサルー1人。兄の名を叫ぶ声もむなしく、電車は丸2日ほど止まることなく走り続ける・・・

サルーも1人で怖かっただろうけど、お兄ちゃんも辛かっただろうな。

「あの時、わがままを言うサルーを連れて行かなければ」

「仕事を放棄してでも、サルーを駅に置いてけぼりにしなければ」

いや、そうやって自分を責める余裕すら無いままに、ただ姿を消した弟を必死に探したのでしょう。

大切な弟を見つけることだけに意識が行き、近くで動いていた電車に気づかず轢かれて亡くなってしまったお兄ちゃん(最後、テロップで説明がありました)。

また、息子2人を同時に失ってしまったお母さんの気持ちは想像も出来ないほどです。

1人言葉も通じない町に降り立ち、家族の名前を叫ぶサルー。

そのまま帰れなくなったサルーは家に帰ることは出来ず、オーストラリアの夫婦に養子として引き取られますが、それまでが辛い。

ダンボールを敷いた上で寝ている子供達に混ぜてもらうも、夜中におじさん達が無理やり連れさらおうとしてきたり、優しくしてくれるマダムに人身売買されそうになったり。

ストリートチルドレンの惨状が垣間見えます。

孤児院に保護してもらうも、愛情や人情は感じられない冷たい雰囲気。

スポンサーリンク

一方、オーストラリアの夫婦に引き取られてから、映画の雰囲気は一気に変わります。

二コール・キッドマン演じる義母が素敵な人。

「自分で産むのではなく、不幸な境遇の子供を育てることに意義がある」という信念の女性で、血の繋がりが無いことはどこ吹く風。旦那さんと一緒に、愛情たっぷりにサルーを育てます。

立派な好青年に育ったサルーは、家族や恋人や友達に囲まれ、幸せな日々を過ごすも、幸せを感じれば感じるほど、本当の家族を思い苦しみます。

今もスラム街に住む家族達は、きっと自分を探している。

自分だけ楽しく暮らしていることに罪悪感すら感じていたのかもしれません。

「本当の家族を探す事は、育ての親を裏切ることだ」と思いながらも、本当の家族を探さずにはいられないサルー。

義母を苦しめていると思い込んだサルーは、オーストラリアの家族との間に心の壁を作ってしまいます。

1人苦しむサルーに心を痛める義母。

そんなサルーに対し恋人は、「お母さんはサルーが本当の家族を探しても、裏切りだなんて思わない人よ」気にかけてくれます。

ついにサルーがインドの故郷を見つけ出し、そのことを義母に報告すると、義母は嬉し涙。

その涙がとても美しかった・・・(二コール・キッドマンが奇麗なだけか?)

ラスト、故郷の町を訪れ、産みの母親と再会。

お兄ちゃんと生きて会えなかったのがまた切なくて泣けるという、怒涛の涙シーンが待ちかまえます。

エンドロールの最後は、実際の映像。

産みの母親と育ての母親も抱き合います。

これを涙せず見ることが出来るでしょうか?

無理です!

最後に。『LION/ライオン』のタイトルの意味

誰もが感じるであろう、タイトルの意味。

僕は、本当の家族を必死に探すため、髪の毛を切る余裕も髭をそる余裕もないサルーが、最後家族を見つける頃には髪も髭もボーボーでライオンのようになってしまうからなのではないかと推測しました。

「お前はアホか?」って?

その通りです!

そして無事、僕の推測は大きくはずれました。

正解は、「サルーの本名がライオンを意味するシェルゥという名前だったから」でした。

幼かったサルーは、生まれ故郷の名前だけでなく、自分の名前まで間違えて覚えちゃってたんですね、罪なお茶目さん・・・

スポンサーリンク